翔んで埼玉という映画。
これは観ないわけにはいかなかった。
映画の予告って、これは日本人の国民性の問題なのかもしれませんが、何かと言えば二言目にはお涙頂戴ばっかりで、ぶっちゃけ観る気しないですよね。
で、後で調べたらお涙モノでもなくて普通に面白いみたいなパターン。結構あるんですよ。
ソロで映画館に通うかわいそうな人間なのですが、もしかしたら映画館をデートスポットとして使うカップルの方がお金落とすからああいう予告になるんでしょうかね。
わからん。とりあえず給料上がったらTOHOシネマズで毎回ビール飲もうと思います。
撲滅すべし、お涙頂戴大好きカップル(とそれを釣ろうとする広告会社)!
話がそれました。
翔んで埼玉。
予告であんなに見たくなる映画は久しぶりでしたね。
ファンタスティック・ビーストの2ですら予告は面白くなさそうに作るな~って思ってたぐらいですから。(本編はとても面白かったです)
誘ってくれた友人にも感謝しつつ、渋谷へレッツゴー。
アンドウォッチ。
いや~良かった。
頭空っぽにして観ることも出来ますが、僕は色々と考察しながら観るのが好きなタイプのやつでした。
ここからネタバレ気をつけてください。
まず、基本の筋としては「敵に負けて東京から出て、戻ってきて敵を倒す」なんですが、これはもうほぼマッドマックスなんですよ。
こんなこと言ったらマッドマックス好きに怒られるかもしれないけど、マッドマックス好きな人も「行って帰ってくる映画」って行ってたし許してくれると思う。
んで、東京は異常に*1発展しているんですが、その外が荒廃してるのなんの。
その荒廃しているというのも、未開の地というよりは「一度戦乱で焼け野原になった」系の不毛の地なんですよね。
群馬などは未開のジャングル(プテラノドンもいるよ!)という感じで描かれているのに、埼玉だけ不毛の地……そんなことあります?
不毛の地……砂漠……これは!
そう、マッドマックスだ。
更に、東京は異常に発展していると書きましたが、昔の話(都市伝説)という体にも関わらず「さいたま銃*2」など、技術がある特定の部分だけ異常に発達しているのもポストアポカリプス系サイバーパンクの特徴です。
マッドマックスも服もロクに着れないような連中が、脳をコントローラーで操作して人に搭乗したりしてましたね。
という感じで、非常に面白い世界観なのですが、それはなぜなの?というのを突き詰めようとすると、
うるせえ!そのほうが面白いだろうが!
と監督に殴られそうなテイストが、すごくマッドマックスだなーと思いました。
ただ、もちろんそれだけでなく、GACKT氏扮する麗が新年格付けばりの東京テイスティング*3をやらされたり、GACKT氏の盟友YOSHIKI氏の大看板が出てきたりと、リアルの事情に即したネタがご当地に限らずたくさん出てきて、そのあたりも知っていると非常に楽しめました。
あとは何よりクッソ汚くて三日三晩かけて取手まで行く電車「常磐線」が登場したのがなによりも面白かったですね~。
僕、今日それに乗ったんですけど……ってまさかなるとはといった感じでした。
そんな感じで、埼玉の内輪ネタがわからずとも「あー、そういうものなんだ」というノリと勢いでわからせてくれる強制力が強すぎて、結構多くの人が楽しめそうだなと思いました。
(この手の映画、特に銀魂みたいなやつが痛々しくなる場合って主にツッコミのせいだと僕は思うんですが、そのへんがかなり薄く、登場人物の順応力が高くて気にせず笑えたというのが大きいかなと思います)
まだ観てない方、ここまで読んじゃってもきっと楽しめるのでどうぞ。